ジーパンとテキトーなシャツ
これが、今までの僕のスタイル。
理由は簡単
”めんどう”だから
そう、面倒臭いのである。
寒色? 暖色? これは何色?
なぜ黒一色ではだめなのか?
犯人みたいになるからか?
とにかく分からない
しかも、コロコロと変わる旬の服。
ガラポンのように、コロコロ回して
当たりが出れば良いのだが
現実は、そうもいかない。
派手な色を着ようものなら、悪目立ちしてしまう。
それに、数も多い
上着、シャツ、ズボン、ベルト
多い。
いっぱいである。
絶対に辻褄が、合わなくなる。
どうしよう
僕の頭もいっぱい、いっぱいだ。
あぁ・・・なんとかならないものか
でも、見た目は大事
とは言ったものの
見た目は、大事なのもまた事実
僕も、それなりの大人である。
だらしないのは、少しまずい
僕も男なのだ。
ほんの少し、ほんの少しだが
世の女性に、かっこよく見られたいという
下心も無くもない。
それに、身なりが整っていたほうが
気分もよい
何かないものか。
コロコロと回る頭の中
いまだ出ずの当たりを探し
今日もガラコロ、回し続けるのだった。
一等、着物
ポンっと出てきた、金の玉
その正体は、着物である
着物を着る
帯を巻く
羽織を羽織る
これで終わり、シンプルだ。
色もそうだ。
着物と帯
その二色だけ。
実に楽、シンプルだ。
気にすることが、少ない分
お出かけも、おっくうにならない
さっそく、お外に出かけよう。
どこでもいい、ただ歩く
結局いつもと、変わらぬ散歩
変わっているは、服と気持ち。
飄々とした心と足取りで
玄関の扉を開けるのだった。
いざ、出陣
カランコロン
下駄を鳴らして、町を歩く
思いのほか、歩きづらい
バランスが、難しい。
体面は取り繕ってはいるものの
足元では、大忙しである。
なぞなぞみたいだな?
などと、思いつつ
転ばぬように、ゆったり歩く
ただの散歩、目的地など無いのだから
風が、心地よい
良いのだが、裾がまくれる
まくれて見えるのは
取れたての大根。
新鮮と言えば、聞こえがいいが
少しみっともない、恥ずかしい。
周りの視線が、少し気になってくる
そわそわしだす、居心地が悪い
どうするか、どうするか
いや
しかし
そもそも、である
坊主が着物を着て何がおかしいというのか?
むしろナチュラルだ、自然なのだ。
臆するな
着物の”浮き”を坊主が帳消しにしている
良かった、坊主で良かった。
着物との散歩を終えて
帰路へと就くのだった。
それでも、着物を着る理由
着物を着続けてわかった事
けっこう、めんどう
そう、面倒臭いのである。
帯が緩む
裾がまくれる
トイレの時も、ちょっと悩む
洋服に支配された、現代社会
着物には、ちょっぴり肩身が狭い。
和式便器に思いを馳せる
そんな日が、来ようとは
夢にも思わぬ。
そんなことを考えながら
いつもの散歩。
そんな着物ではあるが
僕は今でも、着物を着ている
目の前には、日常の風景が広がっている
神社の境内、たまに足を運ぶところだ。
子供たちが、駆け回り
大人たちが、一休み
何てことない、ありふれた光景
そんな光景を、着物と見ている
洋服が当たり前の、日常で
それは、ちょっとした非日常ではないだろうか?
それは、ささやかな冒険なのかも知れない。
あと
ちょっと様になってる僕も、むふふと思う。
カランコロン
満喫した僕たちは
いつものと変わらぬ帰路へと就く。


コメント